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    かっちゃん(KATH-TOR)のモノローグ

    KATH-TOR's ONLINE

    04
    2011  17:04:00

    【リレー小説ネタ】ソルタスの希望?

    リレー小説第3話です。

    第2話書いていただいた有門ゆらさんの記事に引き続く形で書きました。

    若者3人組のうちのヒューム♂のお話です。


    ソルタスの希望

    少年は逃げていた。
    迫り来る炎とベスティアから。
    彼の村が突如ベスティアの群れに襲われ1時間、あっという間だった。
    彼の両親は、彼を逃がした後に、瞬く間に炎に包まれた。

    ひたすら逃げた。
    しかし、炎の回りは小さな彼の走りよりも早く、あっという間に彼の行く先に回り込んだ。
    炎の中に、複数の視線が浮かび上がる。
    その視線に射すくめられ、少年は萎縮して足を止めてしまった…

    目を瞑った瞬間、何者かの気配を感じた。
    目をそっと開ける。
    そこには、彼よりも小さな女の子が、彼をかばうように立っていた。

    女の子は彼に一瞬の笑顔を見せた後、光に包まれ…

    消えた。

    直後、代わりに姿を現したのは、巨人。

    あれは、ガイガス…

    巨人はそのまま炎の中へ。
    直後、すさまじい衝撃波が一面を襲った。
    炎とベスティアが、一瞬で消え去った。

    ----------------------------------------

    10年後…
    ここは大都市ソルタス。
    研究部門のとある施設の一室で、タバサ教授は今日10回目のため息をついた。

    今期の研究成果の中間報告が迫っていた。
    既にレポートと発表内容は完成している。
    問題はその質である。

    ここ数年、ソルタスの学術派の研究に目立った成果が見られていないのだ。
    ソルタスのオリエンス学派は、その資金の大半をヒューム政府の補助金で賄っている。
    研究成果が出なければ、議会で補助金の減額が検討されるようなことでもあれば死活問題である。

    原因ははっきりしている。
    ソルタスには新しい優秀な学者が不足しているのだ。

    近年、各地でベスティアの活動が活発化しており、マギア研究に重要なフィールドワークに支障が出ている。
    そのため、ベスティアと対峙しても問題ない戦闘能力を持ち合わせた研究者が必要である。
    しかし、このような戦闘能力の高いヒュームは、より戦闘能力に特化した戦闘術士としてプリムス戦闘団に入ることが多い。
    また、戦闘能力の高いもので学者の道を選択したものは、より危険の高い前線での研究を主としているハイメスのエイペクス学派に採られる傾向が高い。

    ポエデリスのヴェスパー学派は、アインによるベスティアの戦術研究、ベリアによる生物研究、ロンフェミナによる新規食材・薬草の発見など、全種族にとって有用な研究成果を上げている。
    彼ら種族自体のライフワークでもあり、資金以上に研究に対するモチベーションが高く、これらが研究成果にプラスとなっている。

    ハイメスのエイペクス学派は、そもそもプリウス星の存亡に関わる研究であるために、全種族のフォローおよびプリウス主神教の全面的バックアップを受けている。

    他派閥に負けない研究成果が必要なのである。

    --------------------------------------------------

    ある日、タバサ教授のもとに弟子であるウサーが数編のレポートを持って訪れた。
    曰く
    「面白い研究生がいる」

    その中の一つのレポートをめくり、タバサ教授は唖然とした。

    「人工ガイガス」

    かつてプリウス主神教の出資により、全種族で研究されたテーマである。
    しかし、研究成果としてセレロの実用化を上げたところで、皆見向きもしなくなったテーマ。
    その後も幾度となく、物好きな研究者によって取り上げられ、たいした成果もなく頓挫したものを。
    今となっては、”変人”のレッテルとともにある研究テーマである。

    しかし、ウサーは
    「ひとまず、全部ざらっと流し読みしてみてください」
    と言う。

    仕方なく、残りのレポートを流し読みしてみる。
    なるほど、面白いとはこういうことか。

    この一連のレポートに書かれているのは、従来の人工ガイガス研究とは違うアプローチであった。
    「ガイガスのエネルギー源を用いた能力補助外骨格」
    わかりやすく言えば
    「ヒュームが着られるガイガス」
    である。

    読み終わった後、タバサ教授は久々に声を上げて大笑いしたのであった。

    レポート自体の完成度は高く、また目標へ至るまでのアプローチも悪くない。
    現段階で実用化されているマギアロボットなどの効率化などもある。
    何より、研究に対する情熱と真摯さを感じるレポートに、かつて自身の若い頃の情熱を感じてしまう。

    「しかし、ま、問題のガイガスのエネルギー源の発見が第一じゃがな」

    タバサ教授はレポートの署名を眺め、この名前の人物が、果たして”変人”と呼ばれるのか、はたまた”ソルタスの希望”と呼ばれるようになるか、先が見物であるな、と目を細めるのであった。


    ------------------------

    「ぶぇっくしょぉーいっっ!!」
    たき火に当たりながら、ヒュームの若者は派手なクシャミを一発。

    「なんだぁ?風邪か?まぁこの筋肉でも見て暖まれや!」
    と、得意のポージングを決め、ニカッと笑顔を見せるロンマス。

    暑苦しいもの見せるんじゃねぇ!
    そう言いそうになって、ヒュームの若者は言葉を飲み込んだ。
    実際寒いのである。

    「シチュー喰いたけりゃ、今すぐそのポーズ止めろ!」
    「あちらのアイン様見習って、お前もおとなしくしてろよ」

    見れば、アインの若者は、火の側で腕組みし、瞑想してるように静かであった。

    彼ら3人、目的はそれぞれ別で旅するものであった。
    お互い目的は知らない。ただ、向かう先が同じという理由で、そのままパーティを組むようになった。
    ヒュームの若者にとって、2人の肉壁もとい護衛が付くのは、非常にラッキー、そう最初は思ったものだった。
    しかし、それが果たして正しかったのか…

    ロンマスはやたら喰うし、かといって料理はまともにできない、怪我もかまわず猪突猛進…
    アインは無口で頑固、融通効かず無愛想、話を振ってもノリの悪いこと悪いこと…
    元素術士として、この二人の面倒を見る苦労と自身の安全、果たしてこの選択はラッキーだったのだろうか、とため息をついた。

    ヒュームの若者は、ポケットから一つの青い石を取り出した。
    いつも疲れたりしたときに、この石を見て昔を思い出す。それが彼の10年来の癒しであった。

    ロンマスがそれを見て言う。
    「まーたそんなボロ石眺めてるなー。それ高いモノなんか?」

    そんな言葉を無視し、ヒュームの若者は過去の思い出に浸る。
    その青い石は、かつて少年時代に彼を救った少女=アニマが彼に渡したモノ。

    ガイガス共鳴石…

    なぜ、あのアニマが彼にそれを託したのか、理由は分からない。
    しかし、これが彼の目指す道を示した。

    突然、共鳴石を握りしめ立ち上がり、叫ぶ。
    「俺はガイガスになるぞおー!!!」

    瞑想していたアインもさすがに目を開け、ヒュームの若者を見た後、ロンマスと目を合わせてキョトンとするのであった。




    実は去年のうちに、女アインの話掘り下げたモノを書いてましたが、これを破棄して、今日2時間かけて書き上げました。
    女アインのお話は、ある意味ご馳走だとおもったので、自分が食べちゃうともったいないな、と思って。
    急遽、別口ネタとして取っておいた、”大都市の学派”のお話をアレンジしてみました。

    アップ時点でノーチェックなので、誤字脱字、変な表現あったらごめんなさい。
    時々こっそり改訂するかも。
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    2 Comments

    有門ゆら  

    ロンマス君、筋肉燃やされないようにね・・・w

    第3回執筆おつかれさまです~

    これはまた、予想だにしていなかった展開ですね~。

    ガイガスのエネルギー源を用いた能力補助外骨格・・・
    ガイガス・スーツ!!
    それ着て暴れたいっ!

    ヒューム男って、はじけたイメージ強いですが、
    本当は頭いいんだよなぁ。いろいろ研究してるはずだもんなぁ~・・・と、普段から思っていたことが
    見事に掘り下げて表現されてて、読みながらニヤニヤしてしまいましたw

    こうなると肉壁のひとりロンマス君の背景も気になるところですね。
    今回使われなかったという女アインも気になるっ><
    続きが気になるけど、誰かが書かないと続きがない・・っていうジレンマw

    2011/01/06 (Thu) 00:13 | EDIT | REPLY |   

    かっちゃん(KATH-TOR)  

    Re: ロンマス君、筋肉燃やされないようにね・・・w

    >ゆらさん

    どもども、ありがとうー。
    元々は、女性アインとは別ネタとして用意してたものだったんです。
    タイトルも、「タバサ教授の憂鬱」とか「如何にして少年はガイガスを愛するようになったか」とか、どこかで聞いたようなタイトルだったり。
    ゆらさんに書いていただいた第2話で、3バカっぽい感じで出てきたので、ヒュームキャラ用に再編してみました。

    ガイガススーツネタは、ちと無理矢理感もありますけど、「あったらいいなぁ」という妄想で書いちゃいました。

    一応、残りのアインとロンマスにも、自分的バックグラウンドは構想あるので、いずれまた書こうかなとは思ってます。

    > 今回使われなかったという女アインも気になるっ><

    儀式で成人後~3人組に拾われるまで、ってのを書いてました。
    没になったのは、ちと女性アインに重たい業背負わせすぎたかなぁ、って思ってお蔵入りです。
    あと、複線はったり色々してたら、ちとボリュームが…orz
    適度な文章量に納めるのって、大変なんですねー。

    > 続きが気になるけど、誰かが書かないと続きがない・・っていうジレンマw

    サキさんが加わってくれたら、リレーならではの超絶展開が!?とか思ったんですが、忙しそうですね。
    今後の進め方とかも、ちょっと考えてみますね。

    場合によっては、ボクの方からお題出して、そのキーワードつかった文章書いて貰うとか。
    設定厨なボクには、背景となる設定やアウトラインはかけても、具体的なお話に昇華させる自信ないので^^;

    2011/01/06 (Thu) 09:22 | EDIT | REPLY |   

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